隆治との回線が切れた途端、部屋が一気に静寂に包まれる。


無音の寒い空間の中、あたしは携帯を耳につけたまま、身動きひとつとれなかった。


どうして…?


ワケがわからない。


どうしようもなく押し寄せてくる不安で、身体中が震えていた。


昨日話した隆治は、普通だった。


もうすぐ会えるなって、嬉しそうに何度も言っていた。


それなのに、なぜ…?


ごめんって何…?


何かあったんだ。


絶対何かあったんだ。


隆治が絶望に感じてしまうような、何かが…。


あたしはふと我に返り、震える指で隆治に電話をかけた。


絶対話をしなくちゃ。


今すぐに話さなきゃ!


だけど…。


隆治の携帯は。


無情にも電源が切られていた。