それから約30分くらいして、ようやく島にも朝日が昇った。


「隆治。昇ったよ!すごい綺麗~」


『すず!願い事しないと』


隆治が慌てたように言うから、なんだかちょっとおかしかった。


私は携帯を肩に挟んで、そっと両手を合わせた。


来年こそは、隆治と一緒に初日の出が見られますように…。


『ちゃんと願い事した?』


「うん」


『何、願った?』


「そんなの秘密だよ」


『あぁ~っ?お前、ふざけるな!』


隆治の言葉に、あたしはクスクスと笑う。


「隆治と同じだよ」


あたしがそう言うと、隆治はそうかと言って、ちょっと照れくさそうな声で笑った。