『あ、もうすぐ太陽が見える』


「そうなの?」


『今、昇った!

おぉー。すげぇ綺麗だよ』


隆治の感激した声が耳に触れる。


『早速、願い事しなきゃな。

去年と内容一緒だけど』


隆治の言葉に、私は思わずクスッと笑ってしまった。


『今、俺が見た太陽が、30分後くらいにそっちでも見られるんだな』


「うん」


『そう思うと、なんか不思議だな』


ホント、そうだよね。


『そっちに日が昇るまで、電話で話そう』


隆治がそう言ってくれるから、海の風が冷たくても、なんだか心はあたたかかった。