『すず…』


「ん?」


『俺、去年その場所で初日の出に願い事したんだ』


「あー、うん。そうだったね」


何をお願いしたかまでは、教えてくれなかったっけ。


『俺ね…、祈ったんだ。

来年も再来年も、ずっとすずと一緒に初日の出が見られますようにって』


「え…?」


隆治も、あたしと同じことを願ってくれていたの?


『叶わなかったって思いたくないから、隣にはいられないけど、こうして電話で一緒に見れたら、それは成立かなって…。

今年はダメでも、きっと来年は隣にいられると思うからさ』


隆治…。


それで、こんな朝早くに電話をくれたんだね…。