結局、隆治は新しい名字を教えてはくれなかった。


まだ新しい名字を受け入れられてないんだろうなと思ったあたしは、それ以上聞くのはやめておいた。


その後、あたしと隆治はメールアドレスの交換をして電話を切った。


切るとあたしは早速隆治にメールを送ってみた。


だけど、待っても待っても返信が来ない。


痺れを切らしたあたしは、先にお風呂に入ることにした。


お風呂を済ませ寝る準備が整うと、布団に入り携帯とにらめっこをする。


「隆治、まだぁ～？」


半分泣きそうになりながら、携帯を握りしめて目を閉じた。


隆治から返信が来たのは、なんと夜中の0時を過ぎた頃だった。


しかも、たったの一行。


『おやすみ』だけ！


うーむ…。


これは、想像以上に前途多難だなとあたしは思ったのだった。