学校の補習授業が始まり、毎日のように八神酒店の前を通っていると、隆治の親戚なのか人の出入りがよく見られた。


それも夏休みが終わりに近づく頃には見られなくなり、気がつけば八神酒店の看板は無くなっていた。


木下さんに偶然会うことがあり、久しぶりに話をしていると、これから隆治のバイクを処分するのだと教えてくれた。


隆治が乗っていたバイクはもともとは木下さんのバイクだったらしく、彼はそれを譲り受けたのだとか。


隆治と何度か二人乗りしたバイク。


これすらも無くなってしまうんだね…。


隆治との島での思い出が次々に消えていくようで、あたしは寂しくてたまらなかった。





そして、夏休みが残り数日になった頃、あたしの携帯に一本の電話が入った。