「すず。どしたんねぇ?

今日は朝からゴロゴロして。

夏バテしたん?」


和室に寝転んでいたら、おばあちゃんに声をかけられた。


「昨日の夜から元気がないねぇ。

なんかあったん?」


机に両手をかけて、座布団に座るおばあちゃん。


あたしはムクッと身体を起こした。


「おばあちゃん…」


「ん?」


「隆治がね…、東京へ行くことになったの」


「えぇっ?」


目を見開くおばあちゃん。


「いつ出発するんねぇ?」


「……今日だよ…」


言った途端、涙が出そうになった。


そんなあたしを見ながら、おばあちゃんが悲しそうな顔をした。


「そうなるんじゃないかと思いよったんじゃけど、そんなに急なんねぇ…?」


あたしはコクリ頷いた。