「ねぇ、隆治」


「ん?」


「前に言ってたよね。

自分が今置かれている環境の中で、楽しめることを探せって…」


「あー、うん。確かに言ったな」


「隆治がいない島なんて、なんだかちっとも楽しくなさそうで、泣きたくなるけど。

でも、あたし。

楽しいこと探そうと思う」


「楽しいこと?」


「うん。

だってね、3月までの数ヶ月間、ただ泣いて暮らすより、楽しく過ごした方がいいじゃない。

寂しさも紛れるし、すさんだあたしなんか、隆治イヤでしょ?」


あたしの言葉に、隆治が目を真ん丸にする。


「お前、やっぱすげーな。

俺が惚れただけのことはある」


「何?それ」


「褒めてんだよ」