呆然としていたら、隣の席の女子がなぜかあたしの顔をじっと見ていた。


あまりに突き刺さるその視線にビクビクしてしていると。


「ねぇ、植村さん。植村さんって、八神(やがみ)君と知り合いなの?」


突然、妙な質問をされた。


「え?あ、いや…。

まぁ知り合いと言えば、知り合いかな…?」


そう言うと、その女の子は何かを考えるような素振りをした。


「もしかして植村さんも、島から来てるの?」


「えっ?あーうん。島から通ってる」


「あー、なるほど。それでか」


な、何を勝手に納得しているんだろう?


あたしが顔をしかめていたら、その女の子がハッとした顔をした。


「あ、ごめんね。一方的に。

私、岩田 遥(いわた はるか)。

ハルでいいから。よろしくね」


肩まである綺麗なストレートの髪を揺らして、彼女はにっこりと微笑んだ。


「あ、こちらこそ。よろしく」


これが、後にあたしと親友になるハルとの出会いだった。