「どうよ。島の生活には慣れたのか?」


そう言ってそいつが長い脚を組む。


「べ、別に。アンタに関係ないじゃん」


「そりゃまぁそうだけどよ。

アンタがどんな顔で生活してんのか、想像すると面白いからさ」


「お、面白いって…」


「さぞ退屈だろうと思って。都会人だもんなー」


ム、ムカつく!


いちいちムカつく。


「まぁでも、さ。思ったほど、化けモノでもねぇのな」


そいつの言っている意味がわからなくて、眉間に皺を寄せた。


「その髪の色とスッピン見たら、ちょっとはマシなんじゃん」


「は?」


「いや俺アンタのこと、クソブスだと思ってたから」


ククッと笑う男に、あの日のようにまたカーッと頭に血が昇った。


「し、失礼ねぇ」


思わずぶぅと膨れていると。


「あのメイクはやめとけ」


男が急に真顔で言った。


「綺麗なものに、わざわざ泥を塗る必要ないだろ?」


「え…?」


ニヤリ笑うと、その男は立ち上がって、教室を出て行った。


な、なに…?


何だったの?今のは…。