スイカをいただいた後、あたしはおじいちゃんにお礼を言って、隆治の家を後にした。


いつもはここで別れる隆治が、今日は送ってやると言って、あたしに付いて来ていた。


「ビックリしたよ」


「何?」


「隆治がいきなりあんなことを言うから」


「あー」


本当にビックリした。


隆治が酒屋を継ぐだなんて。


「実は、前から密かに考えてたことなんだ。

でも、じいちゃんが俺に継がせる気はないってわかってたから、なかなか言い出せなかったんだ。

でもさっきの寂しそうなじいちゃんの顔を見てたら、俺やっぱり店を継ぎたいと思ってさ…」


「そう、だったんだね…」