「隆治、ホンマにええんか?」


おじいちゃんの言葉に、隆治が大きく頷いた。


「他の可能性も考えてええんど?

なりたい職業があるんなら、それを目指してもええんじゃし」


「俺は酒屋がいいんだ。

だから、気にしないで」


おじいちゃんはしばらく何かを考えるような素振りをしていたけれど、急に席を立った。


「じゃあ高校を卒業したら、お前に本格的に仕事を教える」


「ホントに?」


隆治が目を輝かせている。


「わかっとるとは思うけど、ワシは厳しいど」


「うん、もちろん。覚悟してる」


隆治の言葉に、おじいちゃんは嬉しそうに微笑んだ。