隆治は本当のところ、どうしたいのかな?


遠慮がなければ、進学したいのかな…?


「ねぇ、おじいちゃん。

この酒屋は、将来どうするつもりなの?」


あたしの質問に、おじいちゃんが顎に手を当てる。


「跡継ぎもおらんしのう、まぁ…ワシの代で終わりじゃろうのう」


「えー、そうなんですか?」


八神酒店が無くなるなんて、なんだか想像できないよ。


「悲しいけどのう、これが島の現実よ。

若いもんはみんな都会へ出たがるけぇのう。

昔あった商店街も、ほとんどが店を閉めたしのう」


確かにそうかもしれない。


ここは昔店だったんだろうなあっていう建物が、島には沢山あるものね。


せめてこの島に橋が架かっていたら、もう少し違ったのかもしれないけれど。


「なんか寂しいですね…」


あたしがそう言うと、おじいちゃんも悲しそうな顔をした。


その時だった。


「終わらせない!」


廊下から、隆治の声が響いた。