「なぁ、すずちゃん」


「はい?」


「隆治、進路のことについてなんか言いようらんか?」


進路…?


「あー…。あの、実はさっき、少し話が出たんです」


あたしがそう言うと、おじいちゃんが少し複雑そうな顔をした。


「隆治はワシに遠慮して、大学行かん気なんじゃないかのうと思いようるんじゃ。

確かに大変じゃない言うたら嘘にはなるんじゃが、ここから通うてくれるんなら、何とかならんこともないんじゃがのう」


「おじいちゃん…」


おじいちゃんは気づいてたんだね。


隆治がおじいちゃんに遠慮していること。


「隆治はすずちゃんのお陰で、成績が上がってのう。

夏休み前の三者面談でも、充分大学行ける実力があるって先生も言いよったんじゃ。

せっかく行ける実力があるんなら、行かせてやりたいんじゃけどのう…」