「おかえりー」


酒屋の前に着くと、ちょうど外に出ていたおじいちゃんとバッタリ会った。


「「ただいまー」」


「暑かったじゃろう。

近所の人にスイカもろうたんじゃけど、すずちゃん食うていかんか?」


「えっ?いいんですか?」


「うん。その代わり、切ってもろうてもええかのう?」


「もちろんいいですよ」


あたしと隆治は家に上がり、台所へと向かった。


隆治が冷蔵庫を開けて、スイカを取り出す。


「見ろよ。めっちゃデカい」


「わー、すごいね」


「こんなデカイの切れる?俺が途中まで切ってやろうか?」


隆治がそう言ってくれたので、お任せすることにした。


この家には、もう数え切れないくらいお邪魔している。


台所で何度一緒に食事をしたり、おやつを食べたりしたかなあ。


あたしって、もうすっかり親戚の子扱いだよね。


もちろん嬉しいけど。


「よっしゃー、切れたー。あと頼むな」


「うん。任せて」


とりあえず4分の1を食べることにし、隆治は残りを綺麗にラップに包んでいた。


お皿を取り出し、切ったスイカを並べ、テーブルに出す。


「じーちゃーん。スイカ切ったー。食おう」


隆治が呼ぶと、おじいちゃんが家の中に入って来た。