「また会ったな、化けモノ」


その口調にピンと来た。


「あ、あ、あなたっ」


アイツだ!


島に来た日、あたしの座席を蹴ったあの男だ!


「アンタもこの高校だったんだ」


嘘でしょう?


コイツ、あたしと同い年だったの?


「最初、誰だかわかんなかったよ。

髪の色も違うし、化けモノみたいなメイクもしてないし」


「ちょっ…」


さっきから人のこと化けモノ化けモノって、失礼しちゃう!


「でも東京から来たっていうのと、その声でピンと来た。

あぁ、あの時のバカ女だって」


「バ、バカ女?」


頬がピクピクしちゃう。


だ、だめよ、すず。


転校早々、怒鳴ったりしたら。


抑えてー、抑えてー。