隆治とはこれと言って何の変化もないまま、早いもので、あたしがこの島に来てからもうすぐ一年になろうとしていた。


学校が夏休みに入っても、学校で補習があるため、あたしも隆治も高校へ通った。


毎日暑いのに、冗談じゃないよなーと隆治は言っていたけど。


でも夏休みに入った途端、会えないのも寂しいし、あたしは補習がある方が好都合だった。


そんなある日の学校帰りのことだった。


「あーあ。俺、進路どうしようかなー」


フェリーの客室に座った途端、隆治がため息混じりに言った。


「どうしたの?」


「うん…。だってさ、大学行ったら金かかるだろ?

じいちゃんにそこまで迷惑かけられねーからなあ」


「え-、でも隆治、最近成績上がってるのに…」


「まぁ、それはお前のお陰だけど。

じいちゃんは好きにしろって言うんだけど、俺、別にそこまで勉強好きでもねーしなー」


進路、か…。


そろそろあたしも、真剣に考えなくちゃいけないよね…。