隆治が含み笑いで近づいて来る。


「お前、よく寝てたなー」


「え、そんなに寝てた?」


ゆっくりあたしの隣に腰を下ろす隆治。


まくったシャツの下から見える綺麗な腕に、ちょっとドキッとしてしまう。


「まぁ、わかるよ。静かだし、気持ちいいもんな」


寝顔、見られたのかな?


あたし、どんな顔して寝てたんだろ。


そう思うと、なんだか恥ずかしい。


「あ、隆治。これありがとう」


そう言って、隆治のパーカーを差し出した。


「あ、着てていいよ。ちょっと寒くなって来たし」


「え…」


いいの?と思いつつ、隆治のパーカーに袖を通してみる。


「わ、大きいー」


ブカブカだ。


「お前、結構小さいのな」


隆治が余った袖の先を見て、不思議そうな表情をしている。


普段意識しないけど、隆治とあたしってこんなに大きさが違うんだね。