なんだか、肌寒い…。
ブルッと身体が震え、目が覚めた。
ゆっくり身体を起こすと、隣に隆治の姿はなかった。
周りを見渡してもいない。
どこに行ったのかな?
その時、パサッとあたしの肩から何かが落ちた。
「何?」
あっ、これ。
隆治のパーカーだ。
もしかして、かけてくれたの?
うそ。
嬉しい…。
あたしは思わず隆治の紺色のパーカーをぎゅっと抱きしめた。
柔らかくて、暖かい…。
今、何時なんだろう?
あたし、どれくらい眠っていたのかな?
そんなことを思っていたら、後ろでガサッと音がした。
「あ、すず。起きた?」