「うーん。

まぁ確かに信頼はされてるかもしれませんけど、完全に扱いが男なんです。

朝の挨拶が蹴りから始まるんですよー。

ひどいと思いませんか？」


木下さんはあたしの横でクスクスと笑っている。


「アイツにとっちゃ、毒舌に耐えられるすずちゃんは打って付けの相手だったんだろうね。
でも、すずちゃんからしたら、たまったもんじゃないよねー」


「はい」


あたしは大きく頷いた。


「まぁでも、ね。

アイツにとってすずちゃんは特別な存在なんだと思うよ。

今日だって、アイツがすずちゃんも誘っていいか？って聞いて来たしね」


「えっ？」


意外な言葉に、心臓の鼓動が速くなる。


春休み、隆治に会いたくてたまらなかったけど。


もしかして隆治も、あたしに会いたかったのかな…？