教室にいざ足を踏み入れると、痛いほどの視線を感じた。


初めて見るあたしが一体どんな子なのか、警戒もするだろうし、品定めもしたりするのだろう。


一応真面目に見えてると思うんだけど、どうだろうか。


「簡単に自己紹介してもらえる?」


「あ、はい…。

えと、植村すずです。

よろしくお願いします」


何も考えて来ていなかったので、これが精一杯だった。


「じゃあ、植村さんはね。窓際の一番後ろ、あそこに座って」


「はい」


ぎこちなく足を動かし、生徒達の間をゆっくりと歩く。


一番後ろの席に到着すると、椅子を引いて静かに腰掛けた。


その一部始終をみんなに見られていて、とにかく恥ずかしくてしょうがなかった。


「じゃあ、ホームルーム始めまーす」