台所に着くと、おじいちゃんが食事をしているところだった。


「おう、すずちゃん。いらっしゃい」


「こんにちは」


ぺこり頭を下げる。


「じいちゃん。すずも一緒にメシ食っていい?」


「おう、ええよ。
炊飯器にまだご飯が残っとるし、味噌汁もあるで」


「すず。座って待ってて。
焼飯作ってやる」


「う、うん…」


隆治に言われるまま席に座ると、おじいちゃんがあたしにお茶を入れてくれた。


「すずちゃん、隆治の勉強見てくれてありがとのう」


にっこり笑うおじいちゃん。


「いえ、そんな…」


「隆治には、高校くらい卒業してもらわんと困るけぇのう」


あたしはぎこちなく口角を上げた。


隆治は冷蔵庫から食材を取り出すと、慣れた手付きで何かを切り始めた。


包丁の軽快な音が、小さな台所に響き渡る。


ここにこうして座っていると、なんだかこの家の家族のような気分になってしまうな。