八神酒店の前に到着し、隆治は自転車から降りた。


「じゃあ、お昼食べたら来るね」


そう言って、帰ろうとした時だった。


「待って」


あたしを呼び止める隆治。


「どうしたの…?」


きょとんと首を傾げると。


「昼飯だったら、ウチで食え」


「え?」


「焼飯くらいしか出せねーけど」


突然の提案に、目がパチパチしてしまう。


「こっちでメシ食うって、俺がキヨさんに電話してやろうか?」


「いや、別に。あたしからするけど」


「じゃあ、いい?」


「う、うん…」


なんだかよくわからないけれど、あたしは隆治に言われるまま、隆治の家へと上がった。