うわ…。


この人、すっごい美人!


女のあたしでも思わず見とれてしまうほどの美貌だ。


チラリ隆治を見ると、隆治はものすごく硬い表情をしている。


「今、少し話せないかしら?」


女性の言葉に、隆治は固まってしまっている。


ど、どうしたんだろう?


一体どういう知り合い?


どうしていいかわからず、あたしも固まっていると。


「すず、ごめん。ちょっとここで待ってて」


「え?あ、うん…」


あたしにそう告げると、隆治は自転車を降り、その女性の方へ歩いて行ってしまった。


隆治とその女の人は、タクシー乗り場の前にあるベンチに座り、何やら話を始めた。


あたしは自転車を少し走らせ、遠くから二人の姿を見守ることにした。


話はすぐ終わるのかなと思いきや、意外に長くて。


あたしは自転車を停め、防波堤に腰掛けてボーッと海を眺めた。