「なぁ。今日昼飯食ったらさ、俺の家に来てくんない?

明日の科目、ちょっと自信ねぇんだよなー」


帰りのフェリーで隆治がそんなことを言い出した。


「うん、もちろん。

じゃあご飯食べて、着替えてから行くね」


「おう」


隆治、なんだか勉強が楽しそう。


良かった。


隆治に喜んでもらえて。


それに何より。


ずっと一緒にいられるもんね。


それが一番嬉しい…。


そんなこんなで、あたしと隆治は試験中も、土日でさえも、ひたすら一緒に勉強した。


たまに息抜きでゲームをしたりしたけど、あたしがあまりにゲームが下手なので、隆治にかなりバカにされてしまった。


あたしは優しく勉強を教えてあげたのに、あたしにゲームを教える隆治の態度は、それはそれはひどいものだった。


やっぱり男女の甘い展開など、あたし達の間には微塵もないようだ…。