照れくさそうに言う隆治に、あたしの頬が一気に熱を帯びた。


「あ、うん。もちろん。

おじいちゃんにも頼まれてるし。

なんなら、行きと帰りのフェリーでもやろうよ。

時間は有効に使わなくちゃ」


「ん。そうだな。じゃあ、頼むな」


「うん」


「じゃあ、な」


「うん。また明日」


あたしが手を振ると、隆治も軽く左手を上げて、自転車に乗って帰って行った。


結局あたしと隆治は、試験の前日まで、隆治の部屋でずっと一緒に勉強をしたのだった。