あたしは二人に捕まり椅子に座らせれ、なんと縄で縛られた。


両手も後ろでしっかり縛られている。


「やめてーーーー!

いやーーーー!

こんなの虐待よーーーー!」


叫ぶあたしなんて完全に無視して、母さんは白髪染めをあたしの頭に塗布していく。


「ぎゃーーーー!

いやーーーー!

し、死ぬーーーーー!」


「うるさいっ!黙れ、すずっ」


あたしの頭上で怒鳴る母さん。


「往生ぎわの悪い子じゃねぇ……」


あたしの両足を押さえながら、おばあちゃんが呆れたように言った。


「だって、おばあちゃん。東京には真っ黒の子はいないんだよ。

恥ずかしくて死んじゃうーーー!」


「安心しんさい。こっちは黒髪美人がようけおるけぇ」


「うっ」


あたしはついに観念して、うなだれるように下を向いた。


目には涙が溜まっていた。