「麦茶入れたけぇ飲みんさい」


おばあちゃんが、丸いグラスに入れた麦茶と和菓子を机の上に置いてくれた。


「いただきまーす」


あたしは一応正座をして、麦茶をぐっと飲み干した。


「すず、あんたその髪はどしたんねぇー。きちゃなげな(※汚いの意)色してから。南瓜色みたいじゃわ」


な、南瓜色って…。


「そんな頭で学校行ったら、不良じゃ思われて目つけられるよ。黒に染めんさい!」


「えぇっ!」


まだ染めたばっかりだよ?


友達からも評判良かったのに。


「や、やだ。こんなの別に普通だよ」


「すず。東京とここじゃ違うんじゃけぇ黒にせにゃいけん!」


「か、母さん、なんとかしてー」


おばあちゃんって言い出したら聞かないから、母さんヘルプミー。


「お母さん、任せて。ちゃんと買って来てあるわ」


そう言って、母さんがニヤリと笑う。


「へっ?なに?」


何を買ったって?