田村の言葉は力強かった。


もしかして、あたし一人が臆病になっていたのかな?


でもあの時は、遠距離が頑張れるとはどうしても思えなかった。


それで自然消滅になったり、フラれてしまうくらいなら、別れた方がいいと思った。


「なぁ、植村」


「ん?」


「まだ俺のこと、少しでも好き?」


「え…?」


せつない顔で聞かれて、ドキッと心臓が音を立てる。


「え、ど、どうかな…」


確かに島に引っ越してしばらくは、田村のことをよく思い出していたけれど…。


でも最近は…。


「嫌いになって別れたんじゃないのに、たったの数ヶ月で、もうどうでもよくなったのか?

なんか、悲しいよ。

なんで俺とお前、こんなに温度差があるんだよ。

俺は今でも、植村が好きなのに…っ」


そう言った直後、田村はあたしの肩をぐいっと抱き寄せ、あたしの唇に自分の唇を押し当てた。