田村が合流し、しばらく4人で歌っていたあたし達だったけど、途中マキと友子が同時にトイレに行った。


突然田村と二人きりになってしまい、少し緊張が高まる。


歌い終えたあたしが机の上にそっとマイクを置くと、その手を急に田村が取った。


「ちょっ」


思わずビックリして手を引くと、すかさず田村はあたしの肩を抱いた。


ど、どうしよう。


頭がパニックになって、どうしていいかわからず固まっていると。


「植村…。

すげー会いたかった…」


せつない田村の声が、あたしの頭上に響いた。


「あ、のさ…。

あたし達、もう別れてんだからさ。

こういうの、やめようよ…」


ぎこちなく言葉を紡げば、田村はますますあたしを強く引き寄せる。