次の日、あたしは以前通っていた高校の友達と約束をし、駅で待ち合わせをした。


改札口近くの柱にもたれて立っていると、あたしを探してキョロキョロとしている友人二人の姿が。


「マキー！友子ー！」


大きな声で手を振れば。


「あーーーっ！すずーーーっ！」


二人は走ってあたしに近寄って来た。


「どこにいるかわかんなかったー！
そんな髪の色してるからだよー。
どうしたの？真っ黒じゃん！」


「う、うん…」


「そんなのすずっぽくないよー。
大体、似合ってねーし！
変だよ！変！」


思わずハハ…と苦笑いする。


ちゃんとつけまつ毛を付けて、メイクもバッチリしてきたけど、絶対この黒髪について突っ込まれるだろうなと思っていた。


「まぁいいわ。
久しぶりだしさぁ、すずの行きたいところに連れてってあげるー」


そう言ってマキがあたしの腕に絡みつく。


「あたし、買い物したいの。そのために、ずっとお小遣い使わずに貯めてたし」


島には店がないし、お金を使うことがないんだよね…。


「あーじゃあさ、新しいお店が出来たから、そこに行く？
多分、すず好きだと思うよー」


長く綺麗なウェーブの髪を揺らして、美人の友子が微笑む。


「じゃあ、行こ行こ」


あたし達はきゃあきゃあ言いながら、駅の構内を後にした。