「なんでマチェリラが知ってるんだ?」

改めてマチェリラに問う貴未の声が強く響く。

それは更なる絶望へと彼女を押し出し引き返せない場所へと追いつめた。

「今は…言えないわ。でも今ので永の事は想像がついた。」

「永の!?」

「おそらく彼女は捕われてる。」

一気に空気が変わった。

三人を包む空気は張りつめ少しでピリピリと音を立てているようだ。

幼い頃に離れ離れになってしまった貴未の片翼の永は捕われている、確かな口調でマチェリラは言った。

「そんな…一体誰に!?」

断言したということは彼女にはその人物も場所も分かっているのだろう、しかし貴未の叫びにマチェリラは首を横に振り知らぬことを態度で示している。

「カリオに行きましょう。私も行くわ。」

まずは前に進まないと憶測の域を超えられない、マチェリラはそう続けた。

貴未は手の中にある〈永〉を見つめる、そしてそれを握りしめ頷いた。

マチェリラはそれを確認すると自ら光を発して貴未の手の中にある球体に触れる。