「はい。カリオへの命綱です。」
貴未は圭の手の上の球体から目が離せなかった。
あの時最後に見た時から失った大切なものの1つ、時を越えてもまだここに存在していたなんて。
光り透けた球体の中はカラクリ仕掛けの不思議な空間、いくつもの歯車が小さく回りながら動いている。
それも記憶のとおりだった。
「貴未さん、扉はここに。そしてマチェリラの魂もこの中にあります。」
「どういうこと?」
「マチェリラの魂を受け継ぐとはそういうことなのです。」
この球体を受け継ぐことでマチェリラの魂も、扉さえも受け継ぐことになると圭は続けた。
理解できたようなそうでないような、あまりの衝撃に貴未は言葉を失い呼吸さえも追いつかなくなってしまった。
落ち着かなければ、そう思い冷静になろうと努める貴未に圭はさらに追いつめる。
「私たちは代々これを〈永〉と呼んでいます。」
その時、一瞬にして貴未の世界からは音が消え一つの記憶が頭の中をこだました。
記憶の中で聞こえる声はただ一つ、貴未と呼ぶ少女の声だけだ。
貴未は圭の手の上の球体から目が離せなかった。
あの時最後に見た時から失った大切なものの1つ、時を越えてもまだここに存在していたなんて。
光り透けた球体の中はカラクリ仕掛けの不思議な空間、いくつもの歯車が小さく回りながら動いている。
それも記憶のとおりだった。
「貴未さん、扉はここに。そしてマチェリラの魂もこの中にあります。」
「どういうこと?」
「マチェリラの魂を受け継ぐとはそういうことなのです。」
この球体を受け継ぐことでマチェリラの魂も、扉さえも受け継ぐことになると圭は続けた。
理解できたようなそうでないような、あまりの衝撃に貴未は言葉を失い呼吸さえも追いつかなくなってしまった。
落ち着かなければ、そう思い冷静になろうと努める貴未に圭はさらに追いつめる。
「私たちは代々これを〈永〉と呼んでいます。」
その時、一瞬にして貴未の世界からは音が消え一つの記憶が頭の中をこだました。
記憶の中で聞こえる声はただ一つ、貴未と呼ぶ少女の声だけだ。