貴未は圭を見つめ半ば睨むように探っていた。

あまりの警戒に困ったように微笑むと圭は首飾りを服の中から取り出し、貴未の前に差し出す。

それは球体のようだった。

白く丸い何の変哲もない物、しかし少女の掌に余るくらいの大きさにはこれが服の中にあったとは考えにくい。

「この場所は彼女にとって誰にも踏み入れて欲しくない、大切な場所なんだそうです。」

両手で大事そうに受けを作って球体を抱える。

「貴未さん、覚えていますか?」

圭の掌にある球体は暗くてよく見えない、それが白いのがせめてもの救いだった。

目を凝らして見ても貴未には覚えがない。

「白い球?悪いけど見覚えは…。」

「ここからです。」

圭の言葉を引き金に球体は光を放った。

淡くそれでいて強い光は球体の中身をさらすように透けていく。

その姿を見た貴未の表情は次第に変わっていった。

「貴未さん、どうですか?」

「これは俺たちの!?」