信じて欲しいと訴える瞳は強くも脆さを持ち合わせて揺れている。

「私はマチェリラの魂を受け継ぐ者。時を越えて…私は貴方を待っていた。」

「マチェリラの？」

「その翼は何よりの印。私が分かりますか？カリオ人･貴未。」

圭の言葉は波紋を生んだ。

貴未は何故自分の正体に気付いたのか、そして周りの人間は貴未がカリオ人だという事に衝撃を受けていた。

彼女は一体何を言おうとしているのだろうか。

読み切れない心は信じる気持ちを曇らせるが圭の目は必死に貴未を捉えている。

瞼を閉じ、ゆっくりと開くと貴未は身体を地上に戻してて地に足を着けた。

それでも圭は手を差し伸べたままだった。

「何故それを。」

「言ったでしょう？私はマチェリラの魂を受け継ぐ者。その姿…幼い頃の貴方が見せてくれたんです。」

優しく微笑む少女、貴未はただ彼女を見ていた。

まるで時が止まったように誰も動けずにいる、貴未も日向も圭の瞳にすっかり捕らわれている。

「君は…？」

差し伸ばしたままの手は、いつしか貴未の腕を捕まえていた。