「ここに魔族や人間はどれくらいいるんだ?」
「さあ、知らぬ。興味がない。」
「魔族以外にも人はいるのか?」
「ああ、居たな。」
「名前は?」
「知らぬ。興味がない。」
「風神の事は知っているのに?」
テンポよく進んでいた会話はここで一度止まってしまった。
しかしそれは言葉に詰まった訳ではなく、面白い発見があったからのようだ。
彼女から聞こえた笑い声がそれを示していた。
「余程執着があるようだな。同じ様に執着がある奴がわらわに話してきよったわ。」
「執着…風神に?」
「その様だな。」
どこまでも上からの物言いにカルサの中で確信めいた答えが導き出される。
だとすればカルサとしての対応は変わってくる筈だ、それを今ここで使うか思案したがすぐに答えは出た。
いや、最初から答えは決まっていた。
「…足を止めてくれ。」
思わぬ申し出に不思議そうな顔をしたが、彼女は願いを受けて足を止めた。
そして肩越しだったがカルサの方に顔を向けて様子を窺う。
「先程までの様子から貴女はこの国を統治する一族の方ではないかとお見受けする。」
カルサの丁寧な物言いに彼女は少しの表情も変えなかった。
「名乗りが遅れて申し訳ない。私はオフカルス第一皇子カルサトルナス、貴女の名を窺っても宜しいか?」
真っ直ぐに向けられた言葉と視線は彼女にどう届いたのだろうか。
一呼吸置くと彼女は頭だけでなく、身体ごと返してカルサと真正面から向き合う形をとった。
「さあ、知らぬ。興味がない。」
「魔族以外にも人はいるのか?」
「ああ、居たな。」
「名前は?」
「知らぬ。興味がない。」
「風神の事は知っているのに?」
テンポよく進んでいた会話はここで一度止まってしまった。
しかしそれは言葉に詰まった訳ではなく、面白い発見があったからのようだ。
彼女から聞こえた笑い声がそれを示していた。
「余程執着があるようだな。同じ様に執着がある奴がわらわに話してきよったわ。」
「執着…風神に?」
「その様だな。」
どこまでも上からの物言いにカルサの中で確信めいた答えが導き出される。
だとすればカルサとしての対応は変わってくる筈だ、それを今ここで使うか思案したがすぐに答えは出た。
いや、最初から答えは決まっていた。
「…足を止めてくれ。」
思わぬ申し出に不思議そうな顔をしたが、彼女は願いを受けて足を止めた。
そして肩越しだったがカルサの方に顔を向けて様子を窺う。
「先程までの様子から貴女はこの国を統治する一族の方ではないかとお見受けする。」
カルサの丁寧な物言いに彼女は少しの表情も変えなかった。
「名乗りが遅れて申し訳ない。私はオフカルス第一皇子カルサトルナス、貴女の名を窺っても宜しいか?」
真っ直ぐに向けられた言葉と視線は彼女にどう届いたのだろうか。
一呼吸置くと彼女は頭だけでなく、身体ごと返してカルサと真正面から向き合う形をとった。