目を凝らしながら近くの着陸場所を探して目指した。

長く飛び続けることは懸命じゃない、すぐにでも身を隠す場所を探さなければ。

辺り一面は森の様だ、生い茂る木々の切れ間にかろうじて見つけた場所を目指してマチェリラは下降した。

そのまま地上に下りるとマチェリラはすぐに人型に戻り表情を歪める。

「目立ちすぎたわね。」

「遅いか早いかの違いだ。…助かった。それより…。」

マチェリラの言葉に応えるとカルサは周囲の様子を窺って気配を探った。

ここは目的地なのだろうか。

「多分そうだと思うんだけどな…ここ。」

貴未が呟き改めて空を見上げてみる。

夜なのか周囲は暗いが空にある星たちの輝きは淡いことに違和感を覚えた。

曇りではない、この世界が暗いのだ。

「おそらく正解ね。レテイシアは闇の世界、光は遠い。光の世界であるオフカルスから来たんだから慣れるまでに時間がかかりそうだわ。」

「そうも言ってられないみたいよ、圭。」

マチェリラの研ぎ澄ました感覚に引っ掛かるものがあったのか、彼女は既に戦闘態勢に入っていた。

複数の気配がする、それがどんどん近付いてきている。

いや、そもそもここがどこであれ安心できる場所でないことは明白なのだ。

「ねえ、進む方向を決めておかないと面倒よ?どうするの、カルサ。」

マチェリラの言葉にカルサは少し考えた。

「…どこかに居を構えている筈だ。それを探さないと進めない。」

「そうね。」

「闇雲に走っても意味はないが…。」

カルサが呟き思案している間にマチェリラと千羅、瑛琳は戦闘に入ったようだ。