妙な言い回しだった、少しずつ貴未の中で不安以上の違和感を覚えていく。

「貴方の言っている事は正しい。しかし妙ですね。」

キースの言葉に貴未は目を細め表情で答えた。

「なぜ貴方が彼女と幼い頃に知り会えたのか。」

心の中のざわめきが大きくなっていく。

その言葉の意味を知りたい、貴未も日向も思いが態度に出ていたのだろう、身体が自然と前のめりになる。

そしてそれと同時に危険信号も鳴り始めたのだ。

「彼女の幼い頃など本当の事は誰も知れない。今はもう昔の話、彼女は200年も前に亡くなっています。」

あまりの衝撃で頭を思いっきり殴られたような感覚に陥った。

目はどこを見ているのか分からない、意識も渦巻いてくらくらしてきた。

動揺しすぎて貴未は後ろに崩れそうになり数歩下がって踏み留まる。

だってそうだろう、貴未の予想を遥かに越えた年月が経っていたのだ。

「200年…。」

やっと出てきた言葉がそれだった。