残された貴未と日向は彼らが消えた方を見つめて立ち尽くしている。
何が返ってくるのだろう、日向には様々な考えが浮かぶが貴未はそんな事も考えないほどに無心だった。
ただ青年を待つだけ。
そしてこの先訪れるかもしれない事態に向けて腹を括るだけだった。
しばらくして奥から男が一人で戻って来ると、ほどよく貴未たちに近付き手を出して彼らを招く。
「どうぞ、こちらへ。」
先に足を踏み出したのは貴未、日向は戸惑いながらもそれに続いた。
男は物言わず前を歩いて二人を導く。
先ほど彼らが通った渡り廊下を歩いて隣の建物へと三人は進んでいった。
建物に入り階段を上った瞬間から一気に場の空気が変わったのを感じる。
床には質の良い絨毯が敷き詰められて背の高い窓が陽の光を招き入れ、そこには選ばれた人しか踏み込めないような閉鎖的な空気が漂っていた。
外の庭みたいに開放的な空気などどこにもない。
二階の廊下の中程の、さらに上へと繋がる階段を三人は踏み込んで行った。
何が返ってくるのだろう、日向には様々な考えが浮かぶが貴未はそんな事も考えないほどに無心だった。
ただ青年を待つだけ。
そしてこの先訪れるかもしれない事態に向けて腹を括るだけだった。
しばらくして奥から男が一人で戻って来ると、ほどよく貴未たちに近付き手を出して彼らを招く。
「どうぞ、こちらへ。」
先に足を踏み出したのは貴未、日向は戸惑いながらもそれに続いた。
男は物言わず前を歩いて二人を導く。
先ほど彼らが通った渡り廊下を歩いて隣の建物へと三人は進んでいった。
建物に入り階段を上った瞬間から一気に場の空気が変わったのを感じる。
床には質の良い絨毯が敷き詰められて背の高い窓が陽の光を招き入れ、そこには選ばれた人しか踏み込めないような閉鎖的な空気が漂っていた。
外の庭みたいに開放的な空気などどこにもない。
二階の廊下の中程の、さらに上へと繋がる階段を三人は踏み込んで行った。