「良かった!」
元気のいい笑顔を見せると器を応接室の方に下げに行った。
ある程度の体力が戻ったのを確認するとリュナはベッドから下りて立ち上がる。ラバの目の前を通り過ぎ、応接室に繋がる扉を開けた。
「風神、出かけるの?」
「ええ。」
扉の向こうで下げる準備をしていた永が問いかけても短い返事だけでリュナは部屋から出ていく。
部屋の中に残されたラバと永は何も言わずにリュナの背中を見送った。
視線を手元に戻せば空になった器がある、リュナが食事を取ってくれたことに安心して永から自然と笑みがこぼれた。
「当分は無理だな。」
「何が?」
いつの間にか横に立っていたラバに問いかけても答える事無くラバはそのまま部屋から出ていってしまう。
答えを聞かなくてもその反応の意味を永は分かっていた。
「ほんと、魔族ってクール。」
表情をほとんど変えず、感情も露になることはあまりない。
よく言えばクール、悪く言えば冷たい、永はそう心の中でため息を吐いた。しかし今回はしらばっくれた自分が悪いのかもしれない。
「目的があって近づいている。それがバレてるって言いたいんでしょ?」
そう呟くと永は歩きだし部屋を後にした。
今までとは違う、中身が空になった器を持って厨房へと向かう。
ぼんやりと頭の中で考え事をしながら歩いていくと、前に人影が見え永の表情は明るくなり笑顔が生まれた。
気の許せる相手なのだろう、永に気付いた相手も優しく微笑んで応える。
元気のいい笑顔を見せると器を応接室の方に下げに行った。
ある程度の体力が戻ったのを確認するとリュナはベッドから下りて立ち上がる。ラバの目の前を通り過ぎ、応接室に繋がる扉を開けた。
「風神、出かけるの?」
「ええ。」
扉の向こうで下げる準備をしていた永が問いかけても短い返事だけでリュナは部屋から出ていく。
部屋の中に残されたラバと永は何も言わずにリュナの背中を見送った。
視線を手元に戻せば空になった器がある、リュナが食事を取ってくれたことに安心して永から自然と笑みがこぼれた。
「当分は無理だな。」
「何が?」
いつの間にか横に立っていたラバに問いかけても答える事無くラバはそのまま部屋から出ていってしまう。
答えを聞かなくてもその反応の意味を永は分かっていた。
「ほんと、魔族ってクール。」
表情をほとんど変えず、感情も露になることはあまりない。
よく言えばクール、悪く言えば冷たい、永はそう心の中でため息を吐いた。しかし今回はしらばっくれた自分が悪いのかもしれない。
「目的があって近づいている。それがバレてるって言いたいんでしょ?」
そう呟くと永は歩きだし部屋を後にした。
今までとは違う、中身が空になった器を持って厨房へと向かう。
ぼんやりと頭の中で考え事をしながら歩いていくと、前に人影が見え永の表情は明るくなり笑顔が生まれた。
気の許せる相手なのだろう、永に気付いた相手も優しく微笑んで応える。