*
「リュナ。」
名前を呼ばれた気がして静かに目を開ける。
最初に視界に入ったのは見事な装飾の天井、薄暗い部屋の中でそれを見た瞬間に全てを理解した。
「夢…。」
夢から覚めて現実に戻ってきたのだ。
少し年季が入っているように感じるが豪華に施された装飾に高い天井、そして広々としたこの部屋の空気を吸ってゆっくりと息を吐いた。
ベッドの上で首を動かせば耳元で金属が擦れる音がする、手で触れてそれがカルサから送られた耳飾りだという事に気が付いた。
カルサの目の色と同じ金色の石がリュナの視界に入る。
何を思う訳でもなくぼんやりと見つめていたが耳飾りの先についた石を持ち上げる腕にだるさを感じてゆっくりと下ろした。
シードゥルサから持ってきたものはこの身とこの耳飾りだけだ。
暗くなりそうな気持ちを振り切る様にリュナはベッドから起き上がり窓の方へと向かった。ガラスの向こう側は薄暗い空と木々の影が景色として広がっている。
その眺めに思わずため息が漏れた。
「一日中同じ景色。ここは昼も夜もないのね。」
よく見れば違うのかもしれないがまだその違いがリュナには分からない。
最初にここへ来た時に今は夜かと尋ね昼だと言われた。
以来、眠りから覚めるたびに時間を気にして昼か夜かと確認して日を数えていたが今となってはもうどれくらい日が経ったのか分からない。
その眠りが浅かったのか長かったのかも自分では分からなくなった時不安にさえなった。
ここには光が届かない。
「リュナ。」
名前を呼ばれた気がして静かに目を開ける。
最初に視界に入ったのは見事な装飾の天井、薄暗い部屋の中でそれを見た瞬間に全てを理解した。
「夢…。」
夢から覚めて現実に戻ってきたのだ。
少し年季が入っているように感じるが豪華に施された装飾に高い天井、そして広々としたこの部屋の空気を吸ってゆっくりと息を吐いた。
ベッドの上で首を動かせば耳元で金属が擦れる音がする、手で触れてそれがカルサから送られた耳飾りだという事に気が付いた。
カルサの目の色と同じ金色の石がリュナの視界に入る。
何を思う訳でもなくぼんやりと見つめていたが耳飾りの先についた石を持ち上げる腕にだるさを感じてゆっくりと下ろした。
シードゥルサから持ってきたものはこの身とこの耳飾りだけだ。
暗くなりそうな気持ちを振り切る様にリュナはベッドから起き上がり窓の方へと向かった。ガラスの向こう側は薄暗い空と木々の影が景色として広がっている。
その眺めに思わずため息が漏れた。
「一日中同じ景色。ここは昼も夜もないのね。」
よく見れば違うのかもしれないがまだその違いがリュナには分からない。
最初にここへ来た時に今は夜かと尋ね昼だと言われた。
以来、眠りから覚めるたびに時間を気にして昼か夜かと確認して日を数えていたが今となってはもうどれくらい日が経ったのか分からない。
その眠りが浅かったのか長かったのかも自分では分からなくなった時不安にさえなった。
ここには光が届かない。