泉の向こう側にある儀式の舞台では惨劇となっているのだ、いつ来るか分からない恐怖と戦いながらシャーレスタンはずっと死者の為に祈り続けた。
環明の魂が自ら思う場所へと飛んでいくことに気が付いたシャーレスタンは彼女に力と時間を与えたらしい。
やり残したことを叶える時間と行きたいと願う場所へ行ける力だ、ありがとうという環明の声が聞こえた気がしたがシャーレスタンは自分のことで必死だった。
死者たちの記憶が垣間見えて泉の向こうの様子が少しずつ分かってきたのだ。それはもう惨劇としか言いようがない。
何故こんなことになったのだ、どうして。
遠慮なくシャーレスタンの中に入ってくる死者たちの悲鳴が心を揺さぶり体力をも削っていく。シャーレスタンは死者たちに触れることで心身ともに激しく消耗していった。
やがて全てが終わり力尽きる様に倒れていた所を玲蘭華に見つかったという。
何をされたかは覚えていないが意識が途絶え、シャーレスタンが次に気付いた時には銀色の翼を広げた貴未が目の前にいたのだ。
何故か自分が手にしていた<永(はるか)>という球体の中にマチェリラの意識体が潜んでいたことにも気付いたが、貴未に渡さなければいけないという自分の中の深い意識に従って預けた。
貴未とマチェリラ、日向がカリオに去った後にようやく頭の整理がついて理解したという。
自分は死んで転生したのだと。
そして今は太古の国となってしまったオフカルスのあの惨劇はまだ終わっていないのだと。
「シャーレスタンも玲蘭華の姿を見たと言っていた。」
「記憶を操られてから死んだんだ。だから転生した後も日向の記憶はなかった。…成程な。」
カルサの声はいつもよりも低く、まるで鼻で笑うようにその言葉を吐き捨てた。
でも一つだけ分からないことがある、いや大方の予想は付いているが確信が持てなかった。
「沙更陣、俺の記憶は玲蘭華に操られていると思うか?」
「どうして?」
環明の魂が自ら思う場所へと飛んでいくことに気が付いたシャーレスタンは彼女に力と時間を与えたらしい。
やり残したことを叶える時間と行きたいと願う場所へ行ける力だ、ありがとうという環明の声が聞こえた気がしたがシャーレスタンは自分のことで必死だった。
死者たちの記憶が垣間見えて泉の向こうの様子が少しずつ分かってきたのだ。それはもう惨劇としか言いようがない。
何故こんなことになったのだ、どうして。
遠慮なくシャーレスタンの中に入ってくる死者たちの悲鳴が心を揺さぶり体力をも削っていく。シャーレスタンは死者たちに触れることで心身ともに激しく消耗していった。
やがて全てが終わり力尽きる様に倒れていた所を玲蘭華に見つかったという。
何をされたかは覚えていないが意識が途絶え、シャーレスタンが次に気付いた時には銀色の翼を広げた貴未が目の前にいたのだ。
何故か自分が手にしていた<永(はるか)>という球体の中にマチェリラの意識体が潜んでいたことにも気付いたが、貴未に渡さなければいけないという自分の中の深い意識に従って預けた。
貴未とマチェリラ、日向がカリオに去った後にようやく頭の整理がついて理解したという。
自分は死んで転生したのだと。
そして今は太古の国となってしまったオフカルスのあの惨劇はまだ終わっていないのだと。
「シャーレスタンも玲蘭華の姿を見たと言っていた。」
「記憶を操られてから死んだんだ。だから転生した後も日向の記憶はなかった。…成程な。」
カルサの声はいつもよりも低く、まるで鼻で笑うようにその言葉を吐き捨てた。
でも一つだけ分からないことがある、いや大方の予想は付いているが確信が持てなかった。
「沙更陣、俺の記憶は玲蘭華に操られていると思うか?」
「どうして?」