日向は何も言わずに貴未の後についていく。
煉瓦の道の脇には芝生が広がり沢山の花の彩りが季節を感じさせていた。
暖かい雰囲気に心を和ませるのは今の二人には少し難しい事だ。
一歩一歩踏みしめた先にある半開きの木製の扉に手をかけると、力なく押した手からゆっくりと離れ小さな軋む音をたてた。
そこは教会への入り口だ。
「うわ…。」
感嘆の声をもらしたのは日向だった。
表の花の並び以上にそこは緑や色とりどりの花で溢れている。
なんと美しい景色だろうか、この広くもない空間に所狭しと、しかし上品に花たちが生かされていた。
芸術と言えばそれまでだろう。
いま自分が緊張していたことさえ忘れてしまいそうなくらいの衝撃がそこにはあった。
「すごいね、貴未。」
「ああ…。」
なんて鮮やかで美しい景色だろうか、しかし二人が言葉を交わした瞬間に人の気配がしたことで感動はすぐに落ち着いてしまった。
庭の奥に、いくつくらいだろうか、まだ大人になりきれていない位の年令の少女が立っている。
煉瓦の道の脇には芝生が広がり沢山の花の彩りが季節を感じさせていた。
暖かい雰囲気に心を和ませるのは今の二人には少し難しい事だ。
一歩一歩踏みしめた先にある半開きの木製の扉に手をかけると、力なく押した手からゆっくりと離れ小さな軋む音をたてた。
そこは教会への入り口だ。
「うわ…。」
感嘆の声をもらしたのは日向だった。
表の花の並び以上にそこは緑や色とりどりの花で溢れている。
なんと美しい景色だろうか、この広くもない空間に所狭しと、しかし上品に花たちが生かされていた。
芸術と言えばそれまでだろう。
いま自分が緊張していたことさえ忘れてしまいそうなくらいの衝撃がそこにはあった。
「すごいね、貴未。」
「ああ…。」
なんて鮮やかで美しい景色だろうか、しかし二人が言葉を交わした瞬間に人の気配がしたことで感動はすぐに落ち着いてしまった。
庭の奥に、いくつくらいだろうか、まだ大人になりきれていない位の年令の少女が立っている。