「現に扉を開けてここに着いた途端、身体が揺れて目が眩むと言って倒れたからな。もう大丈夫なのか?」
「うん。問題ないと思う。」
首を回し手も握っては開く動作をして自分の中の違和感を探したが見つからない。
頭もスッキリしているし寧ろよく寝たと言ってもいいくらいだと笑ってしまった。
「しかし立派な部屋だな!部屋っていうか建物?」
「当たり前だ。ここはこの国の長が住む宮殿だぞ。この見えている景色全てはまだ宮殿の敷地内だ。」
「はー!ってことはここにあの人がいるってことか。えーっと…玲蘭華だっけ。」
いつまでもはぐらかす訳にはいかないので貴未も切り込んだ。
そもそもオフカルスというのは玲蘭華が統治する御劔の総本山、そう聞いている。
到着した時の景色を思い出したが既に宮殿の敷地内だったような気がした。そう考えると既に玲蘭華にはあえてそうな思ったのだが。
「いや、居ない。」
千羅の低い声でその考えは無くなってしまった。
「えっと…居ないって?」
「行方不明だそうだ。」
「行方不明!?」
「ジンロ様も…あの時皇子とリュナを助けにシードゥルサへ来た以来…行方が分からないらしい。」
手すりの上に腰かけたままの千羅の拳が音を立てて力を入れていく。
何も言葉が浮かばなかった貴未は動揺しながらも千羅のすぐ傍に行くべく、部屋からバルコニーに繋がる扉を目指した。
「うん。問題ないと思う。」
首を回し手も握っては開く動作をして自分の中の違和感を探したが見つからない。
頭もスッキリしているし寧ろよく寝たと言ってもいいくらいだと笑ってしまった。
「しかし立派な部屋だな!部屋っていうか建物?」
「当たり前だ。ここはこの国の長が住む宮殿だぞ。この見えている景色全てはまだ宮殿の敷地内だ。」
「はー!ってことはここにあの人がいるってことか。えーっと…玲蘭華だっけ。」
いつまでもはぐらかす訳にはいかないので貴未も切り込んだ。
そもそもオフカルスというのは玲蘭華が統治する御劔の総本山、そう聞いている。
到着した時の景色を思い出したが既に宮殿の敷地内だったような気がした。そう考えると既に玲蘭華にはあえてそうな思ったのだが。
「いや、居ない。」
千羅の低い声でその考えは無くなってしまった。
「えっと…居ないって?」
「行方不明だそうだ。」
「行方不明!?」
「ジンロ様も…あの時皇子とリュナを助けにシードゥルサへ来た以来…行方が分からないらしい。」
手すりの上に腰かけたままの千羅の拳が音を立てて力を入れていく。
何も言葉が浮かばなかった貴未は動揺しながらも千羅のすぐ傍に行くべく、部屋からバルコニーに繋がる扉を目指した。