貴未が伺うように圭の方に視線を向けると圭は小さく首を横に振り答える。
「私には元から見定める事はできません。でも、あの話を聞いてから日向さんを見てもやはり思い出せない。」
「本当なのよね、貴未?」
二人の信じがたい思いはよく分かっている。こうも見事に日向に関する記憶は本人を含め誰からも消されていた。
しかし事実なのだ。
「日向はカルサの実の弟だよ。カルサがそう言ってる。」
カルサ本人が日向を実の弟だと認めている。その事実に二人は何も言えなくなった。
表情が曇っていき、それぞれ思うところを沢山抱えてその思考を回していく。
太古の因縁を終わらせるために皆ここにいるのだ。
それはカルサだけではないのだから自分の為に動きたい、しかしこうも重要な人物を見失っているとなれば向かう先を疑いたくもなった。
「カルサトルナスはどうしたの?」
「テスタさんと話し込んでるんじゃないかな。」
「そうかもしれないわね。あの二人も…顔を突き合わせて話をするのは久しいでしょうから。」
「なあ、マチェリラも圭も小さい頃のカルサを知ってるんだろ?あいつってどんなんだった?」
好奇心だらけの目を輝かせた貴未に尋ねられマチェリラも圭も思わず言葉を失う。
ここにきてそんな楽しい話はあっただろうかと首を傾げた。
「…どんなって…ねえ、シャーレスタン。」
「そうね。カルサトルナスは…。」
圭がシャーレスタンの記憶を呼び起こして話し始めようとした瞬間、彼女の言葉を遮る様に突然の地鳴りのような衝撃が走り千羅たちは思わず立ち上がった。
空気か地面か、何が揺れているのか分からないが巨大な力が均衡を震わせているのは確かだ。
咄嗟の判断でそれぞれが身を固くする中、千羅は一人走りだした。
「私には元から見定める事はできません。でも、あの話を聞いてから日向さんを見てもやはり思い出せない。」
「本当なのよね、貴未?」
二人の信じがたい思いはよく分かっている。こうも見事に日向に関する記憶は本人を含め誰からも消されていた。
しかし事実なのだ。
「日向はカルサの実の弟だよ。カルサがそう言ってる。」
カルサ本人が日向を実の弟だと認めている。その事実に二人は何も言えなくなった。
表情が曇っていき、それぞれ思うところを沢山抱えてその思考を回していく。
太古の因縁を終わらせるために皆ここにいるのだ。
それはカルサだけではないのだから自分の為に動きたい、しかしこうも重要な人物を見失っているとなれば向かう先を疑いたくもなった。
「カルサトルナスはどうしたの?」
「テスタさんと話し込んでるんじゃないかな。」
「そうかもしれないわね。あの二人も…顔を突き合わせて話をするのは久しいでしょうから。」
「なあ、マチェリラも圭も小さい頃のカルサを知ってるんだろ?あいつってどんなんだった?」
好奇心だらけの目を輝かせた貴未に尋ねられマチェリラも圭も思わず言葉を失う。
ここにきてそんな楽しい話はあっただろうかと首を傾げた。
「…どんなって…ねえ、シャーレスタン。」
「そうね。カルサトルナスは…。」
圭がシャーレスタンの記憶を呼び起こして話し始めようとした瞬間、彼女の言葉を遮る様に突然の地鳴りのような衝撃が走り千羅たちは思わず立ち上がった。
空気か地面か、何が揺れているのか分からないが巨大な力が均衡を震わせているのは確かだ。
咄嗟の判断でそれぞれが身を固くする中、千羅は一人走りだした。