「御劔の力を使った、それだけだ。」

「なんや!?その力ていうのは!」

「聞いてどうする。」

思いがけないカルサの冷たい反応に聖は一瞬引いてしまった。

聖にしては感情的な態度、紅もサルスもカルサの反応より聖に驚いていた。

「…俺らには知る権利がある。」

「駄目だ。」

「なんでや!?」

珍しい聖の感情的な声が部屋中に響き更に空気は張りつめたものへと変わっていく。

思うところがあるものの紅とサルスはただ黙って彼らのやりとりを見ているしかなかった。

「本来、御劔の事をそれ以外に知られてはいけない。御劔はそんな簡単な仕組みではない、複雑で汚いものばかりだ。これ以上、踏み込むな。」

「今更やないか!」

聖が詰め寄りカルサとの距離が縮まる。

双方が譲らず、話し合いというよりはもう睨み合いに近かった。

「駄目だ、これ以上踏み入れるな。俺はお前を手にかけるようなことはしたくない。」

カルサの小さくも力強い声に誰もが息を飲んで身を固くした。