なかなか直接答えに結び付かないのはもったいぶっているからなのだろうか。

カルサはあくまで聖から投げかけられた質問に答えていくだけだった。

「入り口?」

自分から聞き出さない限り与えられない情報に苛立ちながら聖は質問を投げる。

「精霊への手がかりはカリオという、貴未の故郷にあるらしい。」

「カリオ?あいつ行けるんか!?」

「その入り口がヒの国にあると。」

衝撃の事実に聖と紅は思わず顔を見合わせた。

帰りたくても今まで帰れなかったカリオ、それの入り口が自分たちの故郷であるヒの国にあるなんて初めて知った事実だ。

聖と紅、二人が初めてシードゥルサに来た時には貴未は既に国の中に馴染んでいた。

人懐こい性格で誰よりも二人に話しかけてきたのは貴未だったことを覚えている。

「そういえば…うちらの故郷の話聞いた時、なんか反応違てたな。」

「今思えば、な。」

蘇る記憶を掘り起こしていくと貴未の態度のおかしさに気付いた。