すぐには答えない、少し聖の様子を見てからカルサは口を開いた。

「光の精霊だ。」

予想外の答えに一同は言葉を失い、それと同時に大きな疑問符を浮かべる。

特に予想していた答えがあった訳ではないが、誰もの頭の中でかすりもしない答えだったのだ。

「光の精霊?…それは一体。」

サルスが思わず口にしてしまったが、それは皆の言葉でもある。

「前回のことで考え直さなければいけない所がいくつか出てきた。」

前回のこと、カルサの言いたいことは冒頭で全て分かってしまった。

あの時たった一人の侵入者に神と称される御劔の戦士を二人も倒されてしまったこと、助けがなければどうなっていたかなんて考えるだけでも恐ろしい。

「新たな戦力、ってことやな。」

聖の言葉にカルサは頷き再び話を始めた。

「力は一つでも多くあった方がいい。今ある可能性にかけて貴未を派遣した。」

「それがヒの国にあるいう訳か?」

「いや。入り口が、と言った方が正しいな。」