「聖と紅はどうやってシードゥルサに?」

「さあ。気が付いたら景色が変わっていたと言ってたけど。」

答えが見つからないのは分かっていても二人は考えてしまった。

やはりそれはすぐに終わったが、日向は一つ貴未に聞きたいことがあったのだ。

「ねえ、何でここに来たかったの?何かある?」

日向の質問に貴未の笑顔が消える。

そしてもう一度日向の故郷を見下ろし、やがて空を見上げた。

何も話さない貴未に日向は聞いてはいけない事だったのかと気まずくなったが、再び日向に顔を向けた貴未は穏やかな表情だったことに救われる。

「俺の故郷に帰れるかもしれない場所だから。」

思いがけない言葉に日向は目を大きくして何も言えなかった。

貴未は自分の手を握っては開き、確かな感覚を手にしている。

「貴未の故郷ってどこ?」

「カリオ。」

少し遠慮気味に尋ねたことへ貴未は真っすぐ返してきた。

しかし残念ながら日向にその名前は分からない。

返ってきた答えを呟いてみる、その行動に貴未は微笑んだ。