カルサ

貴方の許にこの手紙が行き渡る事を祈りながら
私は筆をとっています。

貴方がこれを読む頃、
おそらく私は誰かの手によってこの世から消え去っているでしょう。

私は占者としての禁忌を犯しました。
それ故の罰なのだと、そう覚悟しています。どうか許して下さい。

未来を見ました。

そこには燃える城、押し寄せる魔物たち、倒れていく何人もの兵士、
太古の王、神官、そして果敢に立ち向かう貴方たち。
ほとんどの者が傷付き、苦しみながら叫んでいる。

燃える城の中にはサルスが立っていました。
魔物を操り、今まで見たことがない冷たく嘲笑うかのような目。
まるで魔物のような、深い闇をまとっていた。

あの子は魔物になってしまう。

カルサ、私が命を落とす戦いにサルスはきっと何か大きな変化を遂げる。
もしかしたらサルス自身、それに気付いていないのかもしれない。

裏切りの刀はサルス。

気を付けなさい、カルサ。
聖の事も、リュナの事もきっと貴方が心配するような事にはならない。

燃えた城の跡地に立つのは高らかに笑い声を上げるサルスパペルトよ。